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高機能自閉症児くりーむの才能開発

高機能自閉症児くりーむの才能開発

ピアノのこと

くりーむが4才のころ見ていただいた臨床心理士の先生とのやりとり。
「こういう子達は何か自信になるようなものを早くから持たせてあげたほうがいい。」
「例えばどんなものが?」
「この子には音楽がいいんじゃないかしら。」

そのころから音楽好きだったようで、どんなジャンルの音楽にものりのりだったくりーむ。特にお気に入りだったのはロック(あまりハードでないもの)。オリジナルの振り付けをつけて一心不乱に踊っていた。その振り付けが結構手が込んだもので、同じ曲がかかるとまた同じ振りで踊っていたので、彼の中で決められていたのでしょう。

そんなことがきっかけで5才の秋からピアノを習い始めました。

当時言葉が2語文、3語文程度だったのと、人の言葉がなかなか耳に入らなかったので、とっても不安なスタートでした。しかも診断名がまだでていなかったので、迷った挙句、ピアノの先生には「言葉の遅い心配な子」という説明をして教えていただくことになりました。

習い始めの当初はとにかく言うことを聞かない、ピアノを弾かない、すぐ泣く、「もうやめる!」と騒ぐ・・・など私はもちろんですがピアノの先生は相当つらかったのでは。

つらい時期を乗り越え、気がつけばいっしょに習い始めたくりーむ妹(3才から)よりテキスト2冊分先に進んでいました。初見で弾くのが得意だったり、一度弾いた曲を記憶しているようで暗譜で習った曲をメドレーで弾いたり、とにかく不思議な子。譜読みが早いのと、記憶力がいいのとで、技術力が未熟なのをカバーしているようです。練習は今は宿題を毎日5回弾く程度ですが、一時期はまっていたころは寝る間も惜しんでピアノを弾き続けておりました。何かにとりつかれたようで見ている私はこわかったです。くりーむ妹をお風呂に入れている間、先に出たくりーむが全裸のままピアノを弾いている姿は、なんともいいようがない複雑な思いといっしょに記憶に残っています。

ピアノの件があってから、高機能自閉症児のくりーむには何か才能を持っているのでは・・・と思うようになりました。それまで子どもに障害があることで将来のことを不安に思ったり、必要以上に卑屈になっていた私がちょうど変わるきっかけになったのです。


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